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お口の健康講座
前回「インプラントについて考えてみよう」というテーマで、インプラント治療のメリットとデメリットについてお話させていただきました。そのお話の中でも少し触れたのですが、インプラント治療をされている患者さんから、インプラントとMRI検査の関係について質問されることがあります。また、私が大学で教鞭をとっていた時には、開業医の先生方からインプラント患者のMRI検査の安全性について色々なお問い合わせがありました。
ご相談の中には「脳のMRI検査を受けようとしたら、インプラントを理由にMRIを断わられた」という内容もありました。他にも、MRI検査前に「インプラントを取り外してください」と言われた、とか。歯科インプラント治療が広く認知されるようになっていけば、このようなトラブルも少なくなっていくと思うのですが、それでもインプラント治療は術式も症例によって様々ですので一概には言えません。インプラントと言っても、患者さんが自分で取り外せる上部構造もありますし、MRIに不向きな磁石を使ったインプラント義歯もあります。色々なパターンがあるので、実際は患者さんそれぞれの口腔内に応じた個別の対応が求められます。
ご自身のインプラントはMRI検査で大丈夫なのか、かかりつけの歯科医院で先生に質問をして、ご説明をお聞きになるのが一番ですが、専門的なことなので質問しにくい時もあるかと思います。そこで今回は、私が過去に行ってきた研究結果も交えながら、インプラントとMRI検査についての見解をお話させていただきたいと思います。どうぞご参考にして頂ければ幸いです。
インプラントという言葉を分解すると、「イン」は「中に」、「プラント」は「植える」という意味なので、医療で用いるインプラントという用語は「身体の中に埋め込むモノ」という広い意味になります。全身の部位はどこでも、体内に埋入する人工物はすべてインプラントと呼びます。心臓のペースメーカーや人工内耳、人工関節や脳動脈クリップなど、身体に埋入した人工物は全部インプラントだし、歯を作るために顎骨に埋入する人工歯根も同様にインプラントと呼びます。
歯医者で行う人工歯根のインプラントは「歯科インプラント」または「デンタルインプラント」と呼ぶと明確に言葉の区別ができるのですが、今では人工歯根=インプラントとして広く一般的に呼称するようになったので、インプラントと言えば歯の治療のこと、というように言葉が普及していったのだと思います。
もちろん、インプラントは歯の治療の事という認識でも良いのですが、例えば放射線技師さんが心臓ペースメーカーや人工内耳の事をインプラントだと言っている時に、こちらがそれを歯の事だと思って聞いてしまうと、会話が咬み合わなくなる、というトラブルが発生します。そうならないために、インプラントと言っても心臓とか全身の部位で色々あるのだ、という事は知っていた方が良いかもしれません。
患者さんから「脳ドックでMRI検査を受けるのですが、インプラントは大丈夫ですか?」と質問をされることがあります。もちろんインプラントと言っても、その上部構造は色々なので人それぞれです。ですが、突き詰めて一言でいってしまえば、僕は「歯のインプラントはMRI検査を受けても安全です」と言って良い、と考えています。
インプラントを学ぶ歯医者さんや技工士さん、衛生士さんや業者さんが集まる学術学会に、日本口腔インプラント学会という公益社団法人があります。僕はそこで「MRI検査における歯科インプラントの安全性」をテーマに発表を行い、優秀研究発表賞という栄誉ある賞をいただいた経歴があります。注目されたのは、やはり患者さんの安全性についてでした。
インプラントの素材は非磁性体のチタン製です。それが顎骨内で強固に固定されているため、MRIの磁力による吸引力やトルクの力は生じません。しかしMRI検査は常に発熱の危険性を伴います。我々の研究では、インプラントのメーカーや形態、MRIの撮像シークェンスなどの諸条件に関わらず、埋入されたフィクスチャー周囲に有意な温度上昇は認められませんでした。症例によっては、インプラント義歯を磁石で維持するために磁性アタッチメントを用いる事があるので、取り外せない磁性体が口腔内に残る場合があります。そのような時は磁化率アーチファクトの影響で診断(読像)に支障をきたす可能性がありますが、しかし安全性と言う点においては、発熱による火傷のリスクが極めて低いため、歯科インプラントはMRI検査をしても安全であると言って良い、と私は考えています。
MRI検査は磁力で検査をしますので、基本的には検査室内に金属を持ち込めません。特に磁石でくっつくような金属を持ち込むと事故の原因になるし、体内に埋め込まれているインプラントの種類によってはMRI検査が出来ないこともあります。だから、MRI検査前の問診で「インプラントをしていますか?」と聞かれるのですが、ここで聞かれているインプラントとは心臓ペースメーカーや人工内耳などの事ですので、前述した通り、歯のインプラントは基本的にはMRI検査を受けても大丈夫です。
もちろん、MRI検査は常に発熱の可能性があります。金属が無くても、渦電流が生じて皮膚の接触面が火傷する事だってあるのです。非磁性体であっても取り外せる金属類は全て取り外してMRI検査を受けるべきでしょう。これが大前提です。でも、MRI検査と発熱の関係は再現性がとても低いので、必ず熱を発するという事は無いし、発熱する可能性はとても低いと考えます。火傷に関しては、口腔内の金属を心配するより、渦電流を生じないように手足を身体から離した姿勢で撮影することの方が大事だと思います。
口腔内には、インプラントに限らず、一般的に金属の詰め物や被せ物が入っています。MRI検査を受ける患者さんの多くは歯科治療の経験があり、きっと歯には金属のつめ物・かぶせ物がされているでしょう。MRI検査を行って、もし口腔内で金属の発熱があるとすれば、それはインプラントに限らず、金属の詰め物・被せ物で発熱するはずです。そして口腔内金属の発熱で何らかの事故が起こっていれば、必ず論文等で大きく報告され、国やMRIメーカーが注意喚起をします。しかしMRI検査が臨床応用されてからの長い歴史を振り返っても、世界中でそのようなエビデンスはありませんし、メーカーからの通達などもありませんでした。MRIは、検査前に着替えをして、しっかりと説明を聞いて、安全に十分配慮すべき重要な検査です。インプラントに限らず、アクセサリー、入れ墨、カラーコンタクト、保温性の高いTシャツなど、MRI検査において注意すべきものは色々とあります。しかし取り外せない口腔内金属によるMRI検査時の危険性に関しては、私は無視できるレベルであると考えます。
物事には必ずメリットとデメリットがあります。そして利益にリスクはつきものです。インプラントに限らず、全ての治療には光と影の両方があるのだという考え方が大切なのだと思います。治療とは「手を加えて終わり」ではありません。治療後も「治ったからもう平気」ではなく、良い状態を維持する努力が必要となります。治療が終わったところからスタートです。人生と言う長い目で見て、今を考えるように心がけましょう。
インプラントをした場合、それが10年後、20年後にどうなっているのか。MRI検査を受ける時に、インプラントは大丈夫なのか。周りの歯がダメになった場合、インプラントはどうなるのか。考えてみると、様々な不安があるのではないでしょうか。色々な事を想定しながら、その不安を解消して安心に変えていく事が大切なのだと思います。
今回はインプラントとMRIについてお話をさせていただきました。「安全と安心」これが医療の重要なコンセプトだと思っています。不安なことを質問したら、ちゃんと専門的知識を分かりやすい言葉で答えてくれる、そんなかかりつけ医を持ちましょう。説明してもらっただけで得られる安心感もあります。難しい内容、専門的な内容だからこそ、担当医に質問してみてはいかがでしょうか。安全・安心な治療を受けられるように、患者さんの立場に立ってじっくりと説明をしてくれる歯科医院をお勧めします。
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