森の歯科医院　特徴

歯科治療では、使用する器具は唾液や血液に汚染されます。そのため、感染症対策や診療環境の衛生管理はとても重要です。口に入れる器具について、特にハンドピースと呼ばれる歯を削る器具を患者さんごとに滅菌しているかどうか？ということがしばしば問題にされます。歯科治療では、たとえコストがかかっても患者さんごとに徹底した衛生管理を行うことが重要で、もちろん当院でも厳しく徹底した衛生管理を行っています。

しかし、意外と知られていないのですが、消毒・殺菌・滅菌を行って、いわゆるバイ菌をやっつけるというところにのみ注目をされてしまいがちな衛生管理ですが、もっとも大切なのは「滅菌」より、じつは最初の「洗浄」なのではないでしょうか。血液に含まれるタンパク質は、熱で凝固して器具にかたくこびりつきます。高熱で滅菌すれば、確かに菌は死滅しますが、器具が汚れていれば凝固したタンパク質はそのまま器具に残ってしまうのです。無菌にするという事と、キレイにするという事は、イコールではないのです。

たとえば食事をしたあと、卵や納豆のついた食器をきれいにしようとして、水洗いをせずに高圧蒸気滅菌器に入れたらどうなるでしょう？もちろん滅菌されるわけですから、お皿から菌はいなくなり、無菌状態になります。でも水洗いしなければ、お皿には凝固したタンパク質が固まってこびりつき、次の人が使う食器としては汚いですよね。逆にいうと、卵や納豆や唾液のついたお皿だって、洗剤をつけたスポンジでキュッキュッとよくこすって洗い、水でしっかりと泡をすすいで、ちゃんと乾燥させれば、それだけで次の人に使用できるきれいなお皿となります。あとは殺菌状態を保てる環境で清潔に保管すれば、きれいな状態が保てるはずです。

唾液や血液のついた器具は、まずしっかりと洗い、薬液なども用いて十分に洗浄すれば、それだけで病原菌は感染力を失います。滅菌はその後の仕上げです。そして滅菌した後も、たとえば濡れた状態のままで保管されるのは良くありませんので、保管方法もとても重要だと思います。世間ではなぜか滅菌操作にのみ注目が集まっているように感じます。もちろんそれは大事なことですが、私はまず徹底した器具の「洗浄」と滅菌後の管理、そして使用する器具だけでなく院内環境すべてに行き届いた「掃除」が大切なのだと考えています。すべての環境を清潔に。当院ではそのような心構えで徹底した厳しい衛生管理を行っています。

どなたでも、歯医者は緊張する場所だと思います。痛いかもしれないし、なにをされるかわからないし、正直いって怖いですよね。そんな不安な気持ちになるのは当然だと思います。誰にとっても病院は、出来れば行きたくない場所です。だからこそ、当院では勇気を持って行きたくない歯医者に来てくれた、そんな患者さんの気持ちをしっかり受け止めたいと思っています。

当院では、はじめて来た飛び込みの患者さんでも、「受け入れられた」「来てよかった」と感じてもらえるよう、けっして患者さんに疎外感を感じさせないように努力しております。広い待合室はカフェのような落ち着いた雰囲気で、患者さんがリラックスできるように工夫されてます。待合室を見回してみると、いたるところにシルバニアの森の仲間たちが展示され、やさしく微笑んでいます。キッズスペースにはおもちゃがいっぱいで、お子さんたちは時間を忘れてしまいそう。トイレや洗面化粧台を広くして男女別々にご用意したのは、ゆっくりと歯を磨いたり、鏡をみたりしていただけるように。診療室は完全個室でプライバシーがしっかりと保たれ、診療ユニットにすわってみると、イスはふっかふかです。

森の歯科医院には、私たちの医療に対するこだわりがぎゅっと詰め込まれています。ぜひ一度、足をお運び下さい。

診療室にむかう細い通路の壁には、院長が今までおこなってきた講演会の感謝状や、専門医などの認定証、過去の学会発表で賞を授賞したときの賞状や、歯科治療の技術アップのために受講してきた数々の講習会の受講証などがところ狭しとならんでいます。

本当は、自分が過去に何をしてきたか、というような、実績や成功の結果を積み上げて、それを自信や心のよりどころにする、ということはしたくはないので、気持ちとしては過去の実績はできるだけ手放すように心がけているのですが、一応自分が今まで何をしてきたかということを患者さんにも見てもらったほうが、患者さんはどういう先生に治療されるんだろう？ということがわかるので、少しは安心してもらえるんじゃないか？という思いから、待合室ではなく診療室にむかう途中の通路の壁に掲示できる範囲で、認定証などを掲げることにしました。

しかしそれでも考えてしまいます。医療人にとって大事なことは、今まで何をしてきたか、とか、過去にどれだけの人を救ってきたか、ではなく、いま目の前にいる１人の患者さんを救うことができるかどうか、ということなのだと思います。本当の自信とは過去にあるものではなく、これから行う治療に対して持つもの、つまりこれから向かう未来にたいして持つものなのだと思います。過去はそのための努力をしてきた過程にすぎません。過去の実績を自分の自信にしてしまうことを、私たちは「自信」ではなく「過信」と呼びます。過信は時にメガネをくもらせてしまいます。医療人はそれではいけない。どれだけ学んで経験を積んでも常に謙虚な姿勢で診療に臨むべきです。大切なのは常に初陣の心構えではないでしょうか。まっさらな気持ちで、全力で患者さんと向き合うことにより、私たちはきっと問題点をみつけだし、患者さんがかかえている長年のお悩みを解決するでしょう。

どなたでも歯科治療は怖いものですが、特に歯科に対して強い恐怖心をもたれている患者さんがいらっしゃいます。そのような患者さんとカウンセリングをし、時間をかけてゆっくりお話をお聞きすると、子供の頃に歯医者で怖い目にあっているという方が多いです。追いかけられたり、無理に治療をされたり、ウソをつかれたり。子供の頃のトラウマは、大人になってもなかなか消えません。頭では理解できているのだけれど、やっぱり怖い、という恐怖心は、脳の潜在意識にある記憶なので、根深く残るのです。

お子さんの治療では、今あるむし歯を治すことも大切ですが、長い人生の中で、歯科に対する恐怖を植えつけることだけは避けなければいけません。もし無理やりの治療がどうしても必要ならば、その後で治療の何倍も時間をかけてお子さんとお友達になり、お子さんが笑顔で歯医者に来てくれるようになるまでフォローすることが大切です。

また将来の歯並びを考えた治療、小児矯正、口呼吸の改善や予防処置など、子供のうちだからこそできる治療がたくさんあります。当院では、お子さんの治療はその後の口腔ケアに重要な意味を持つと考えており、小児歯科に特に力を入れています。

一方で、当院では高齢者歯科にも力を入れています。院長がむかし大学院時代に、訪問診療専門の歯科医院で研修を積んだという経験があり、往診・訪問歯科には強い思い入れがあります。高齢者や身体の不自由な方々にこそ、質の高い歯科医療を提供したい、という願いがあります。

私たちは地域に根ざした町の歯医者さんとして、積極的に訪問診療なども行っていこうと思っていますので、どうぞお気軽にご相談下さい。